1988年 ネッビオーロ・ダルバ ヴィーニャ・デル・フィオーレ アンセルマ|ピエモンテの花の畑
1988年ヴィンテージ ― ピエモンテの優良年
1988年のピエモンテは、1985年、1989年と並ぶ80年代の優良ヴィンテージとして評価されています。適度な降雨と夏から秋にかけての安定した天候が、ネッビオーロの長い生育期間を理想的に支えました。ゆっくりと成熟した果実は、しっかりとした酸とタンニンの骨格を持ちながら、芳醇な果実味を備えたワインへと醸されています。
ネッビオーロ・ダルバ ― バローロの弟、されど侮れず
ネッビオーロ・ダルバは、バローロやバルバレスコと同じネッビオーロ種から造られるDOCワインです。バローロ地区やバルバレスコ地区の認定区域外にあるアルバ周辺の畑から生まれますが、だからこそ束縛の少ない自由な表現が可能になります。バローロが重厚な交響曲だとすれば、ネッビオーロ・ダルバは親密な室内楽。品種の持つ本質的な魅力――タールとバラの香り、引き締まった酸、長い余韻――を、より純粋な形で味わうことができます。
アンセルマとヴィーニャ・デル・フィオーレ
アンセルマは、ピエモンテの伝統的な醸造哲学を受け継ぐ造り手です。「花の畑」を意味するヴィーニャ・デル・フィオーレという区画名が示すように、この畑からはネッビオーロの華やかな一面が引き出されます。大樽での長期熟成を経たワインは、スミレやドライローズの花の香りに、甘草、白トリュフ、なめし革の複雑なニュアンスが重なります。
38年を経たネッビオーロの真髄
ネッビオーロは、世界で最も長寿なワインを生む品種のひとつです。豊富な酸とタンニンが天然の防腐剤として働き、数十年にわたる熟成を可能にします。38年の時を経たこのワインは、色調はレンガがかったガーネットへと変化し、若い頃の攻撃的なタンニンは絹のようにしなやかに変貌しているはずです。1988年――昭和最後の年。ソウルオリンピックが開催され、青函トンネルが開通したこの年の記憶が、ピエモンテの畑から生まれたこの一本の中に、静かに息づいています。