1973年 ガヤ・バルバレスコ(ラベルの状態をご確認ください) 赤ワイン

















1973年のピエモンテは、生育期に夏の暑さがやや控えめで、9月にかけて適度な雨を伴いつつもブドウは概ね健全に成熟した、穏やかな作柄である。当時のバルバレスコ・バローロにおいては、1971年や1974年といった偉大な年に比べれば派手さを欠く中庸のヴィンテージと位置付けられているが、収量を絞り選果を徹底した造り手の手元では、芯のあるネッビオーロが仕込まれた。半世紀を超えた現在の時点では、長期熟成を経た古酒としての三次香が静かに花開く段階に入っており、生き残った個体は当時のピエモンテ・ワインの姿を伝える貴重な証言となっている。
ガヤ(Gaja)― イタリアを世界の銘酒へ押し上げた家
ガヤ(Gaja)はイタリア北西部ピエモンテ州クーネオ県、ランゲ丘陵の中心にあるバルバレスコ村に本拠を構える歴史あるドメーヌである。創業は1859年、スペイン由来のガヤ家がバルバレスコ村で居酒屋兼ワイン商を始めたことに遡る。家業は世代を重ねるごとにブドウ栽培とワイン醸造へと比重を移し、3代目ジョヴァンニ・ガヤを経て、1961年に当時22歳の4代目アンジェロ・ガヤ(Angelo Gaja)が経営を引き継いだ。本1973年ヴィンテージは、アンジェロが醸造の指揮を執るようになって12年ほど経った、彼の革新が次々と形になり始めていた時期の一本である。
バルバレスコDOCGはバルバレスコ、ネイヴェ、トレイゾの3村と、アルバ市の一部(サン・ロッコ・セーノ・デルヴィオ)にまたがるアペラシオンで、栽培面積はおよそ700ヘクタール。1966年にDOC、1980年にDOCG(イタリア最高格付け)に認定された。同じネッビオーロを用いる兄貴分のバローロが力強く長熟型と評されるのに対し、バルバレスコはやや繊細で香り高く、土壌に石灰質・砂・粘土を含む「トルトニアーノ階」のマール質土壌を主とし、より早く飲み頃を迎えるエレガントなスタイルとして位置付けられてきた。地区を代表する造り手にはガヤのほか、プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ、ブルーノ・ジャコーザ、マルケージ・ディ・グレジー、チェレット、ピオ・チェーザレ、ロアーニャ等が名を連ねる。
アンジェロ・ガヤは1960~70年代にかけて、当時保守的だったイタリア・ワインに革新の波を持ち込んだ。剪定を厳格にして収量を大幅に削り、徹底した選果を行い、ステンレスタンクの導入、温度管理発酵、フランス産バリック(225Lの小樽)での熟成、そして単一畑ボトリング(クリュ)の概念をイタリアで初めて本格的に確立した。1967年に同社初の単一畑ボトリング「ソリ・サン・ロレンツォ(Sori San Lorenzo)」をリリース、続いて1970年に「ソリ・ティルディン(Sori Tildin)」、1978年に「コスタ・ルッシ(Costa Russi)」を発表し、ピエモンテのクリュ表記文化を切り拓いた。本1973年ヴィンテージは、それら単一畑ボトリングの開始からまもない時期に仕込まれた基幹キュヴェ「バルバレスコ」にあたる。
自社畑はバルバレスコ村を中心におよそ100ヘクタール超、すべてが石灰岩を含むマールと砂質粘土が混じる斜面に広がる。ブドウは100%ネッビオーロ。バルバレスコの伝統的品種で、薄い果皮ながら高いタンニンと酸を持ち、薔薇・タール・スミレ・赤い果実といった独特の香りを生む難しい品種として知られる。後にアンジェロは1996年に同じピエモンテ内でランゲDOCを用いたカベルネ・ソーヴィニヨンの単一品種ワイン「ダルマージ(Darmagi)」もリリースし、伝統的なネッビオーロ一辺倒の地域に国際品種を持ち込んで物議を醸した。
事業展開も独自で、1994年にトスカーナ・モンタルチーノに「ピエヴェ・サンタ・レスティトゥータ(Pieve Santa Restituta)」を、1996年にトスカーナ海岸部ボルゲリに「カ・マルカンダ(Ca'Marcanda)」を取得し、イタリア銘醸地3カ所を擁する家へと成長した。現在は5代目のガイア(Gaia)とロッサーナ(Rossana)の姉妹を中心に、アンジェロが築いた哲学を受け継いだ運営が続いている。「イタリア・ワインを世界の銘酒の地位に押し上げた家」と評される所以である。
味わい
グラスに注ぐと、淡いガーネットから縁にかけてレンガ色やオレンジへと移ろう、長期熟成ネッビオーロに特有の透き通った色調が現れる。立ち上る香りはドライローズ、なめし革、タール、紅茶の葉、燻製、湿った下草、黒トリュフ、シナモン、サンダルウッドといった三次香が幾層にも重なり、その奥にうっすらとドライチェリーや甘草、ほのかな塩気を感じる。口に含むと、ネッビオーロらしい高い酸とかつての強固なタンニンが半世紀の歳月で絹のように溶け、軽やかな骨格と複雑な熟成香が口中に静かに広がっていく。果実は前面に立つことなく、土・キノコ・古い書物の頁を思わせる熟成香と一体となって余韻を曳いていく。1973年のピエモンテに育ったブドウが、52年の時を経て一本のグラスに到達した、ガヤの初期黄金期を伝える味わいである。
1973年という時代
1973年は10月に第4次中東戦争(ヨム・キプール戦争)が勃発し、OPECによる原油価格引き上げを引き金とする第1次オイルショックが世界を襲った年である。日本では「狂乱物価」と「トイレットペーパー騒動」が起こり、戦後の高度経済成長が大きな転換点を迎えた。一方、江崎玲於奈が日本人として初めて物理学分野でノーベル物理学賞を受賞したのもこの年であった。アメリカではウォーターゲート事件が深刻化しニクソン政権が揺らぎ、シカゴのシアーズ・タワーとニューヨークの世界貿易センターが相次いで完成して当時の世界最高層を競った。音楽ではピンク・フロイドの『狂気(The Dark Side of the Moon)』が発表され、4月にはパブロ・ピカソが世を去った。元号は昭和48年。激動の年に収穫されたネッビオーロが、52年の時を経ても瓶の中で生き続けている。
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