2013年 フランソワ・ラマルシェ ラ・クロワ・ラモー|幻の一級畑
2013年のブルゴーニュは冷涼で雹害もあった難しい年ですが、優れた生産者のもとでは繊細で古典的なスタイルのピノ・ノワールが生まれました。派手さよりも透明感と精密さが際立つ、ブルゴーニュらしいヴィンテージです。ドメーヌ・フランソワ・ラマルシェは、ヴォーヌ・ロマネ村に本拠を置く歴史あるドメーヌで、グランクリュのラ・グランド・リュを単独所有(モノポール)することで知られています。ラマルシェ家は19世紀からこの地でワイン造りを続け、ヴォーヌ・ロマネの核心ともいえる畑を数多く所有しています。ラ・クロワ・ラモーは、ヴォーヌ・ロマネ村のプルミエ・クリュ(一級畑)の中でも極めて特異な存在です。ロマネ・サン・ヴィヴァンのすぐ隣に位置し、かつてはグラン・クリュへの昇格も議論されたほどのテロワールを持ちます。面積はわずか0.6ヘクタールほどで、生産量は極めて少なく、市場で見かけること自体が稀なワインです。ピノ・ノワール100%。ラ・クロワ・ラモー特有の繊細なミネラル感と、赤い果実、スミレ、スパイスのアロマが重なり合います。10年以上の熟成を経て、なめし革や紅茶のニュアンスも現れ始め、複雑さを増しています。ヴォーヌ・ロマネらしいシルキーなタンニンと、長く続く余韻が印象的です。ロマネ・サン・ヴィヴァンやラ・グランド・リュといったグラン・クリュに隣接しながら、一級畑にとどまるラ・クロワ・ラモー。その立地と品質のギャップが、通のブルゴーニュ愛好家を惹きつけ続けています。