2013年シャンパーニュ・サロン - 極限の挑戦から生まれた傑作
シャンパーニュ・サロンの2013年ヴィンテージは、ル・メニル・シュール・オジェ村のシャルドネのみを使用した、120年の歴史で44番目となる希少なリリースです。ギリシャ神話の神々のように彫刻的で完璧に鍛え抜かれた長い肢体を持つこのワインは、美しさで心と味覚を征服する準備ができています。気候的に最も厳しい年の一つから生まれながら、10年の瓶内熟成を経て、その印象的な体格と魅力的な美しさを発達させました。
2013年ヴィンテージの気候条件と特徴
2013年のシャンパーニュ地方は、極端な寒さと雨、そして最終的には暑さをもたらした、気候的に最も困難な年の一つでした。厳しい冬と同様に長く寒い春が続きましたが、ブドウの樹は霜の被害を受けませんでした。4月末の芽吹きは大量の雨の下で行われ、それは7月初旬の満開まで続きました。夏は激しい暑さと輝くような日照に恵まれましたが、散発的な雷雨と雹による被害も発生しました。9月には秋の条件が強く到来し、ブドウの成熟が遅くなりました。収穫は10月1日に開始され、これは数十年で最も遅い収穫の一つとなりました。悪天候と収穫時の厳格な選別にもかかわらず、2013年の収穫は13,000kg/ヘクタールという素晴らしい収量を達成しました。
香りと味わいの特徴
サロン2013は、自然光の下で輝く色調を示し、グラスの中で金色のニュアンスが緑色の輝きと踊り合います。白い花、菩提樹の花、ジャスミン、ベルガモットの皮がブーケを形成し、ル・メニルの典型的なミネラル感が織り込まれています。テロワールの壮大さが、微妙でありながら深遠に現れます。豊かで長く、味わいは完璧なバランスを示し、その力は抑制されています。ヴィンテージの温かい特性が感じられ、焼きリンゴ、トーストしたヘーゼルナッツ、塩バターキャラメルのエレガントで丸みのあるアロマで良い構造を誇ります。泡によって支えられたチョーク質で口の中を潤す仕上がりは、サロンの特徴を携えています。
評論家の評価と熟成ポテンシャル
サロン2013は批評家から絶賛されており、アントニオ・ガッローニ(Vinous)からは「今まで味わった中で最もパワフルで濃密な若いサロン」として99点を獲得しました。ジェームズ・サックリングからは「洗練され、長いテクスチャーのイメージ」として97点を得ています。5.5g/Lのドサージュは完璧に判断されており、これまでの涼しい年に特徴的だった若い厳格さをほとんど持たない、スペクタキュラーで現代的なサロンとして評価されています。約60,000本が生産され、現在から長期熟成が可能な卓越したポテンシャルを持っています。
特別な収穫の意義
2013年の収穫は10月初旬の涼しく晴れた日と涼しい夜という条件下で始まりました。これは1991年以来最も遅い収穫開始となり、涼しく雨の多い季節のスタートが開花を6月末から7月初旬まで遅らせた結果でした。シャルドネはミルデューに対してより耐性があるものの、サロンチームは作物を確保するために懸命に働く必要がありました。厳格な選別プロセスを通過したブドウは、果実の途方もない凝縮と緊張感のある鋭い酸度を示し、このステージでのサロンとしては驚くほどアクセスしやすい、並外れたワインを生み出しました。
テロワールの表現
ル・メニル・シュール・オジェのテロワールは、その直截で完璧で細やかに研がれた特性で表現されています。サロン2013は、飛び出してくる予想外の強さを明らかにし、起源が最終的な発言権を持っています。この単一のテロワール、単一のクリュ、単一のブドウ品種、単一の年という独特性により、シャンパーニュの世界で他に類を見ない個性を持つワインとなっています。極限の条件から生まれた収穫がしばしばシャンパーニュで最高のヴィンテージを生み出すという事実を証明する、まさにその結果となりました。