2012年シャンパーニュ・サロン - 希少なヴィンテージの輝き
シャンパーニュ・サロンの2012年ヴィンテージは、ル・メニル・シュール・オジェ村のシャルドネのみを使用した、単一ヴィンテージのシャンパーニュです。サロンは毎年生産するのではなく、優れた年のみリリースすることで知られ、2012年は恵まれた気候が生んだ傑作として評価されています。約8年の瓶内熟成を経てリリースされたこのワインは、エレガンスと力強さを兼ね備えた逸品です。
2012年ヴィンテージの気候条件と特徴(修正版)
2012年のシャンパーニュ地方は、非常に困難な年の始まりを見せました。冬には霜や雹が芽吹きの初期段階に損害を与え、収穫量の低下をもたらしました。しかし、8月と9月は非常に温暖で理想的な条件となり、温暖な日中と涼しい夜間の寒暖差が、ブドウに素晴らしい成熟をもたらしました。収穫は9月17日に開始され、高い酸度とバランスの取れた果実味を持つブドウが収穫されました。この年はピノ・ノワールが主役の年とされましたが、シャルドネも深みと複雑さを備えた高品質なワインを生み出しました。
サロンの希少性:毎年生産されない理由
サロンは、品質が最高基準に達しない年は生産を見送ることで知られています。ル・メニル・シュール・オジェの単一畑から厳選されたシャルドネのみを使用し、完璧なヴィンテージでなければリリースしません。過去100年で約44ヴィンテージのみが生産され、2012年はその稀少な年のひとつとして、卓越した品質で選ばれました。実際、当初はサロンの社長ディディエ・デポンが2012年はリリースしないと発言していましたが、ワインの試飲後にその品質を認めて方針を転換したという経緯があります。このこだわりが、サロンの伝説的な地位を支えています。
香りと味わいの特徴
2012年のサロンは、リリース時に柑橘オイル、濡れた石、焼きたてのパン、白スグリ、牡蠣の殻の香りが称賛されました。シトラス、白い花、青リンゴのアロマに、トーストやナッツのニュアンスが調和し、「トロピカル」な風味と寛大な香りが特徴的です。味わいは、シャープな酸とクリーミーな泡がバランスを取り、チョークのようなミネラル感が際立ちます。フルボディで深く凝縮されており、パワフルで構造的な味わいを持ちながら、レモンやアプリコットのヒントも感じられます。通常のコート・デ・ブランとは異なる、より寛大で少ない禁欲的なスタイルとして評価されました。
評論家の評価と熟成ポテンシャル
2012年のサロンは専門家から非常に高い評価を受けており、2008年に次いで21世紀で最高のサロンと評されています。8年間の瓶内熟成を経て2021年春にデゴルジュマンが行われ、ドザージュは4g/lと控えめです。このヴィンテージは現在から2050年以降まで飲み頃が続くとされ、既に高い完成度を示しつつ、長期熟成でさらなる複雑さが期待されます。2025年現在、適切に保存されたボトルは素晴らしい飲み頃に入っており、その輝きとエネルギーが魅力的に表現されています。
ル・メニル・シュール・オジェ村
ル・メニル・シュール・オジェは、コート・デ・ブラン地区に位置するシャンパーニュの名村です。チョーク質の土壌は、シャルドネに独特のミネラル感と酸を与え、ブラン・ド・ブランに最適なテロワールとして知られます。サロンはこの村の「サロンの庭」と呼ばれる1ヘクタールの区画と、他の19の小区画からブドウを厳選し、単一畑の特性を最大限に引き出しています。村の冷涼な気候と土壌が、2012年のサロンの鮮烈な個性を形作りました。