1988年 オーパス・ワン|創設者最後の年に生まれた1本
1988年ヴィンテージ
1988年のナパ・ヴァレーは、カリフォルニアらしい凝縮感よりも酸の綺麗な落ち着いたスタイルのワインが多く生まれた年です。派手さは控えめながら、ボルドーに通じる気品を備えたヴィンテージとして、長期熟成を経て再評価されています。
二つの名門の出会い
オーパス・ワンは、ボルドー第1級シャトー・ムートン・ロートシルトのバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドと、ナパ・ヴァレーの先駆者ロバート・モンダヴィの共同プロジェクトとして1979年に初ヴィンテージを生み出しました。1988年1月、創設者バロン・フィリップが逝去。このヴィンテージは、彼の意志が最後に宿った1本でもあります。
黎明期の1本
現在のオークヴィルにある象徴的なワイナリー建物が完成したのは1991年。1988年はまだモンダヴィの施設を借りて醸造していた時代であり、情熱と試行錯誤の中から生まれた、まさに黎明期の作品です。
味わい
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、カベルネ・フラン、メルロー、マルベックを含むボルドースタイルのブレンド。38年の熟成を経て、カシスやブラックチェリーの果実の名残に、杉、葉巻、なめし革、スパイスといった複雑なブーケが広がります。タンニンは完全にこなれ、滑らかな口当たりと長い余韻が楽しめます。
時間が紡いだ味わい
創設者の死、ワイナリー完成前の醸造、そしてボルドー的な気品を持つヴィンテージ。38年という歳月が加えた奥行きとともに、初期のオーパス・ワンの姿を今に伝える歴史的な1本です。