イタリアトスカーナ地方の生産者「ファットリア・デイ・バルビ」
ファットリア・デイ・バルビは、トスカーナのモンタルチーノに根ざす歴史的なワイナリーで、コロンビーニ家が1352年以来所有している。18世紀末にワイナリーとしての本格的な経営を開始し、1892年にブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生産を開始した先駆者として知られる。現在も家族経営を続け、約66haのブドウ畑を管理。標高400mのガレストロと粘土質土壌を活かし、伝統的な大樽と現代的な小樽を組み合わせた醸造で、国際的に評価されるワインを生み出す。特に、1960年代から欧米やアジアへの輸出を積極化し、モンタルチーノの名声を広めた。ワイナリーには、ブルネッロの歴史を展示する博物館もあり、観光客にも人気だ。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、トスカーナのモンタルチーノ地区で生産されるサンジョヴェーゼ100%の赤ワインで、イタリアを代表するDOCGワイン。モンタルチーノの丘陵地帯の独特なテロワール—石灰質と粘土質のガレストロ土壌、温暖な気候、標高250~600m—が、力強いタンニンと複雑なアロマを生む。ブルネッロは最低4年の熟成(うち2年は樽熟成)が義務付けられ、リゼルヴァは5年以上熟成される。ファットリア・デイ・バルビのブルネッロは、伝統と革新のバランスが特徴で、赤い果実、スパイス、革のニュアンスを持つエレガントなスタイルが評価される。長期熟成に耐え、20~30年で複雑なアロマが開花する。
エピソード
ファットリア・デイ・バルビは、ブルネッロの品質向上に貢献した歴史を持つ。1963年にDOC(原産地呼称)が制定される前、コロンビーニ家は品質管理の厳格化を提唱し、モンタルチーノの国際的評価を高めた。また、1970年代にアメリカのワイン評論家がバルビのブルネッロを絶賛したことで、輸出市場が急拡大。この成功は、モンタルチーノ全体のブランド力を強化した。ワイナリーのセラーには、19世紀からのヴィンテージが保管され、特別なオークションで高値がつくこともある。