評価は1級並み!? メドック格付け第2級のスーパーセカンド
シャトー・モンローズの名は、フランス語で「モン=山、ローズ=ピンク」に由来します。春になると、シャトーの丘陵地が鮮やかなピンク色のヒースの花で覆われることから、このロマンティックな名前が付けられたといわれています。この美しい景観は、訪れる者を魅了し、ワインの品質にも期待を抱かせます。
歴史と変遷
シャトー・モンローズの起源は、かつてカロン・セギュール侯爵の広大な領地の一部でした。19世紀初頭、この土地は分離され、テオドール・デュムランへと渡ります。その後、1866年にアルザス出身の情熱的なワイン生産者、マテュー・ドルフェスがこのシャトーを購入。ドルフェスは畑の改良や醸造所の近代化に多額の投資を行い、土壌管理から従業員の労働環境に至るまで徹底的な改革を推進しました。これにより、シャトー・モンローズは品質の飛躍的な向上を遂げ、現在の名声の礎を築きました。
近年では、2006年にブーイグ家が所有権を取得し、さらなる投資と技術革新を進めています。サステナビリティにも注力し、ビオディナミ農法や環境に配慮した栽培方法を取り入れることで、テロワールの個性を最大限に引き出しています。
テロワールとブドウ品種
シャトー・モンローズの畑は、ジロンド川沿いのメドック地区、サン・テステフ村に位置し、粘土質がやや多めの砂利質土壌が特徴です。この土壌は優れた保水性を持ち、特にメルロー種の栽培に最適な環境を提供します。ブドウ品種のブレンドは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体(約60-65%)に、メルロー(約25-30%)、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを少量加えた構成が一般的です。このバランスが、力強いストラクチャーとエレガントなフィネスを両立させ、長期熟成に耐えうるワインを生み出しています。
1970年ヴィンテージの特徴
1970年のシャトー・モンローズは、ボルドーの優良ヴィンテージの一つとして知られています。
この年は天候に恵まれ、ブドウは完璧な熟度で収穫されました。カベルネ・ソーヴィニヨンの力強いタンニンとメルローの柔らかな果実味が調和し、ブラックベリー、シダー、トリュフのアロマに、熟成による革やスパイスのニュアンスが加わった複雑な味わいが特徴です。
50年以上経った今なおその味わいは楽しめると思われます。
スーパーセカンドの名声
シャトー・モンローズは、メドック格付け第2級ながら、その品質はしばしば1級シャトーに匹敵すると評されます。このため、「スーパーセカンド」の代表格として、ワイン愛好家の間で高い人気を誇ります。特に1970年や1982年、2009年、2010年などの偉大なヴィンテージは、コレクターズアイテムとしても注目されています。