最も女性的でエレガントなスタイルを完成させたボルドーを代表するワイン
シャトー・マルゴーはワイン愛好家でなくても、一度は耳にしたことがあるワインではないでしょうか?かつて大ヒットした小説「失楽園」のクライマックスのシーンで登場したことにより、このワインの人気はさらに高まったこともありました。
一般的に女性的でエレガントなタイプが多いといわれるボルドー地方の中でも「最も女性的なスタイルを貫く」シャトー・マルゴーのワインは、その香りと滑らかな舌触りで、多くの人を魅了するワインとしても余りにも有名です。
文豪アーネスト・ヘミングウェイもこのワインの大ファンで、しばしばシャトーに滞在しただけでなく、自分の孫娘に「マルゴーのようにエレガントで女性らしい女性に育つように」と「マーゴ(マルゴーの英語読み)」を贈ったという素敵な逸話も残されています。
1956年は大寒波でブドウ樹が深刻な被害、畑の大部分が枯死、生産量極めて少なく希少、現在柔らかな熟成香と落ち着いた味わい
1956年はボルドー史上最悪レベルの凍害(frost)の年で、2月(特に2月21日頃)に-20℃近い記録的な寒波が発生し、多くの畑でブドウ樹が枯死(vine death)。ボルドー全体で大被害を受け、再植樹が必要になったほどです。マルゴー地区も深刻に影響を受けました。
生産量は極めて少なく、希少ヴィンテージであるのは事実。
ただし、公式のシャトー・マルゴーサイトによると、1956年ヴィンテージは「obviously not a very good vintage」で、軽め(light wine)のワインで、品質は高くないとされています。年月を経て「柔らかな熟成香と落ち着いた味わい」を備えるコレクターアイテムではあるものの、「過酷な環境を乗り越えて造られた特別な一本」というロマンチックな評価は、やや美化されている可能性があります。実際のテイスティングノートでは「まだ生きているがearthy」などと評価されることもあります。