シャトー・ラフィット・ロートシルト 1973|生まれ年のラフィット

シャトー・ラフィット・ロートシルト 1973(750ml・赤)を1本ご紹介します。今年53歳を迎える方の生まれ年のラフィットです。
1973年のボルドーは、冷涼で雨の多い夏となり、とくに8月は雨が多かったとされています。全体には軽めのワインになったと評される一方で、厳しく選果した格付けシャトーは健闘したとも言われます。同じ1973年は、ラフィットの南隣にあるムートン・ロートシルトが第1級へ昇格した、ボルドーの歴史に残る年でもあります。
日本では、第一次オイルショックでトイレットペーパーの買い占め騒動が起きた年です。生まれ年の贈り物や、同じ年に始まった記念日のお祝いに、年号そのものを楽しめる1本です。
掲載している写真は正面ラベルの1枚です。写真から読み取れる範囲を超えた状態は、この記事では断定しません。気になる点は、お問い合わせいただければ現物を見ながらお答えします。
確認者は酒井、確認日は2026年10月3日です。在庫は1本のみです。
ヴィンテージと生産者のいま
1973年のボルドーは、冷涼で雨の多い夏、特に8月は雨が多かったとされます。豊作でしたが、雨で果実が水分を含み、軽く薄めのワインになったと評されています。一方で、厳しく選果した格付けシャトーは健闘したとも言われます。
生産者のラフィットは、2018年以降、サスキア・ド・ロスチャイルド(エリック男爵の娘)が率いていると紹介されています。同家で初の女性トップとも報じられました。
シャトー・ラフィット・ロートシルト 1973 を知る専門店の解説 ・ 2,323字
1973年ヴィンテージ
1973年のボルドーは冷涼で雨の多い夏となり、なかでも8月の降雨が目立った年とされます。収穫量そのものは多い豊作年でしたが、雨を吸った果実は水分を多く含み、全体としては軽やかで線の細いワインが多く生まれました。一方で、選果を厳しく行った格付けシャトーは、この条件のなかでも健闘したと評されています。ラフィットの1973年も、力強さや凝縮感で語られる年ではありません。メドックの第一級らしい品位とバランスを保ちながら、穏やかで繊細な骨格に仕上がった一本と考えられます。
シャトー・ラフィット・ロートシルト
シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite Rothschild)は、ボルドー左岸メドック地区の北部、ポイヤック村の最北端にあります。1855年のメドック格付けで第一級(Premier Grand Cru Classé)に選ばれた4シャトーの一つであり、当時の公式リストの筆頭に記されたことでも知られています。南隣にはシャトー・ムートン・ロートシルト、村の南寄りにはシャトー・ラトゥールがあります。北はジャル・デュ・ブルイユと呼ばれる小川を境にサン・テステフ村と接しており、その対岸にはシャトー・コス・デストゥルネルが建っています。
ポイヤックは、ジロンド河の流れが運んだ厚い砂利質の台地が幾重にも連なる土地です。水はけのよい砂利がブドウの根を地中深くへ導き、カベルネ・ソーヴィニヨンを完熟させます。こうして生まれるのが、引き締まったタンニンと長い熟成力を備えたワインです。この村にはラフィット、ムートン、ラトゥールの第一級3シャトーのほか、ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド、ピション・ロングヴィル・バロン、ランシュ・バージュ、デュアール・ミロン・ロートシルトといった名だたる造り手が集まっています。ボルドーでもっとも格付けシャトーの密度が高い村の一つです。
ラフィットの名がワインの世界で広く知られるようになったのは、17〜18世紀のセギュール家の時代とされます。「葡萄の王子」と称されたニコラ=アレクサンドル・ド・セギュール侯爵のもとで、ヴェルサイユの宮廷にまで名声が届いたと伝えられています。1868年、ジェームズ・ド・ロスチャイルド男爵が競売でこのシャトーを440万フランで購入し、以後ロスチャイルド家による所有が今日まで続いています。エリック・ド・ロスチャイルド男爵は1975年から同社を率いていました。1973年当時の運営者は、確認できた出典では特定できていません。2017年には、エリック男爵の娘サスキア・ド・ロスチャイルドがドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(DBR)の会長職を継ぐと報じられました。さらに2018年3月31日付で、ジャン=ギヨーム・プラが社長兼CEOに就任しています。サスキアは同家で初めて女性としてトップに立ったことでも注目を集め、2018年以降はサスキアのもとで新たな時代を歩んでいます。
畑はおよそ110ヘクタール前後とされ、深い砂利層が石灰質の下層土を覆う、なだらかな丘に広がっています。ジロンド河に近いため霜の害を受けにくい穏やかな微気候に恵まれ、ブドウの平均樹齢は約40年と紹介されています。植栽はカベルネ・ソーヴィニヨンが約70%前後、メルローが約25%前後、カベルネ・フランとプティ・ヴェルドが残りの数%を占めるとされます。1845年に取得したカリュアド台地の区画は、セカンドワイン「カリュアド・ド・ラフィット」の名の由来にもなっています。
醸造では区画ごとに丁寧に仕込み、敷地内の自社樽工房で造られたオーク樽で18〜20か月前後熟成させるとされます。新樽の比率はグラン・ヴァンではほぼ全量に近いと伝えられています。年間の生産量は15,000〜25,000ケースとされ、厳しい選別を経たものだけが「ラフィット」の名を名乗ります。1855年以来、第一級の格付けは一度も揺らいでいません。くしくも1973年は、隣人ムートン・ロートシルトが第一級へ昇格した年でもあります。
味わいの特徴
品種構成は、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体にメルローを加え、カベルネ・フランやプティ・ヴェルドを少量補うのが基本とされます。若い頃は、カシスや赤スグリの果実に、鉛筆の芯や杉の香り、スミレを思わせる花の香りを備えていたと考えられます。冷涼な年らしく、口当たりは軽やかだったと考えられます。それから53年を経た現在は、果実が干したプラムや煮詰めたベリーの穏やかな甘みへと移ろっていることが期待されます。そこに、なめし革、枯葉、紅茶、湿った土、かすかなトリュフや葉巻の箱といった熟成香が重なっていることが期待されます。タンニンはすでに溶けきり、絹のようにほどけた質感になっていることが期待されます。酸は細く、なお全体を支え、繊細で儚い余韻が静かに続くことが期待されます。軽やかな年の古酒のため、抜栓は数日前からボトルを立てて澱を沈めてから行うとよいでしょう。飲む直前に静かにデキャンタし、16〜17℃前後で、開いてから短い時間のうちに味わうのが目安です。
1973年という時代
1973年には、1月にベトナム和平を定めたパリ協定が結ばれ、10月にはシドニー・オペラハウスが開館しました。同じ10月に始まった第一次オイルショックは、日本でもトイレットペーパーの買い占め騒動を引き起こし、高度経済成長の終わりを告げる出来事となりました。ボルドーでは、ムートンの第一級昇格という歴史的な年でもあります。この年に生まれた方の誕生年や、ご結婚から節目を迎えるお二人にとって、同じ時を重ねてきた一本です。華やかさよりも、時がそっと磨いた静けさのなかにこそ、ワインの本当の姿は宿っています。
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| 銘柄/ヴィンテージ | シャトー・ラフィット・ロートシルト 1973(Château Lafite Rothschild) |
|---|---|
| 商品コード | 5000004 |
| 容量 | 750ML |
| 確認者/確認日 | 酒井/2026-10-03 |




