高いワインと安いワインの違い

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質問: 高価で高いワインと安いワインの違いはなんですか?

高級ワインと安ワインの差はなんなのでしょう?

アンサー 答え

こんにちは、デリバリーワインの酒井です。 現在世界には無数とも言えるほどの種類のワインがあり、50カ国以上で100万種類以上のワインが毎年造られています。 その中には数百円のリーズナブルなテーブルワインもあれば、中には数十万円~100万円以上する高級なワインもあります。 では、その価格の差は何故存在するのでしょう? いったい何故そんなに高いワインと安いワインがあるのか、違いはなんなのか不思議に思われる方も多いと思います。 ワインの価格は法律で決まっている訳ではありません。今回はそういったワインの価格の差は何故生れるのかについてご説明したいと思います。

1、ワインを造るコストの差

  • 国や地域など地理的な条件
    そもそも葡萄を生育させる土地という地理的な要因はそのコストに大きな差をもたらします。 フランスやイタリア、カリフォルニアなど先進国の中でも有名な産地で生産するのと南米をはじめとする、新世界と呼ばれる発展途上国などの土地で生産するのとでは、土地の値段をはじめ、人件費など様々なコストに大きな差が生れます。 例え新たに土地を取得してワインを造る場合でなくても、何処で造るかという要素はワイン作りのコストに大きな影響をもたらします。
  • 作り方による違い
    ワインやその原料である葡萄をどのように造るかによってもコストは大きく異なります。 恐らく最も大きな要素は1本の樹からどの程度の葡萄を収穫するかという事でしょう。 凝縮されクオリティー高いブドウの実を収穫するためにはたくさんの栄養が葡萄に行くよう、剪定や房切り作業によって、収穫できる葡萄の実の数を減らしますが、高級なワイン生産者などは収穫高を10分の1くらいまでに落としたりもします。 そのままにしていればワインがボトル10本出きるものを1本にしてしまう訳ですから、それは価格にも影響する事となります。 また、収穫は多くの場合機械を使って行いますが、人件費をかけ手摘みにすれば、品質の高い葡萄だけを収穫することが出来ますし、最近では収穫した葡萄の糖度を自動で選別して、基準に達していない実をレーザーで弾き飛ばすというような機械もありますがそういった高価なマシンは小規模な生産者にはとても手が出ないものです。 その他醸造施設にも莫大な資金を投じる作り手もいますし、樽なども高級な新樽を使うか中古の樽を使うかで大きくそのコストは変わってきます。 そして、最終的にワインは瓶詰めされて、ラベルを貼られ出荷されますが、ボトルやコルクもレベルによって値段は様々で、ラベルも凝ったものにすると相応のコストがかかる事になります。 このように、ワイン作りはコストをかけようと思えばいくらでもお金はかかるもので、その差は生産者によって大きく違うのです。

 

2、ブランド力の差

ワインの価格にとってブランドの力はとても大きな影響を与えます。 世の中にはロマネ・コンティや5大シャトーなど古くから王侯貴族の間でその価値とブランドが認知されて来たものはもとより、近年になってその認知度が飛躍的に向上したワインも多数あります。 イタリアのスーパータスカンとして名声を得た、ティニャネロサッシカイア、カリフォルニアのオーパスワン、イタリアのルーチェ、チリのアルマヴィーヴァなど数え上げたらきりがありませんが、これらのワインは世界中に星の数ほどある生産者の中でも特にブランディングという分野で最も成功を収めたワイン達であることに間違いありません。 元の作り手自体が有名であったり、資金力がありブランディングに巨額の資金を投じたりという理由もあるかと思いますが、人気ハリウッドスターのブラッドピットアンジョリーナ・ジョリーが南仏で購入した「シャトー・ミラヴァル」のように有名人が購入したことによってそのブランド力が上昇したワインなどもあり、ワインのブランドバリューを形成する要素も様々です。

オーパスワンの美しいワイナリー

オーパスワンの美しいワイナリー


3、そのワインの実力と世間の評価
これは「2」のブランド力と重複する部分もありますが、誰もが知る知名度という事以外にも、そのワインが美味しいと多くの人に認められている事という意味で付け加えさせていただきます。 そのワインをどう感じるかは人それぞれですが、多くの人が特に美味しいと感じていれば、いずれそれがそのワインの実力として次第に定着していきます。 また、ロバート・パーカー氏のような有名なワイン評論家(雑誌ワイン・アドヴォケートWine Advocateに掲載)、やワインスペクテイター、イタリアのガンベロロッソなどの権威と言われる専門誌が高い得点を与えたりしたものはその価格にも大きな影響を与えます。 それまで無名だったワインが、「パーカー100点!」などと言うお墨付きで、何倍もの価格に跳ね上がるという事は過去に何度も起こった事です。 安いテーブルワインなどはパーカー氏や専門誌に評価しもらうために、試飲用のワインを送るなどと言うことすらしていないでしょう。

4、需要と供給
あらゆるサービスや商品がそうであるように、ワインもまた結局は需要と供給によって価格が決められます。 高額なワインはその生産本数も価格に大きな影響を与えていることになりますが、例えばポムロールのシンデレラワインとして有名なシャトー・ル・パンなどは毎年平均で500~600ケース(6000~8000本前後)しか造られていませんが(5大シャトーなどと比べると30~40分の1)、その結果今では1本数十万円という高価なワインとなってしまいました。 しかし、いくらコストをかけて、良いワインを造って高額な価格を付けたとしても、誰もそのワインを買わなければその価格は成立せず、最終的には値下げせざる得ない状況となります。 また逆に人気が出て、需要が供給を上回れば、そのワインの価格は次第に上昇していくでしょう。 しかし、ここでワインが価格を形成する上で他の工業製品などと大きく異なる点があります。 それは、ワインは例え同じ名前であったとしても毎年異なったヴィンテージの異なった商品としてリリースされ、そのワインは生産された数以上に増えることはなく、逆に消費され数が減る一方だという事です。 数が減る=供給が減る のです。 その結果過去数十年を例にとってみると、高級なワインの価格は上昇する一方で、価格が下がるという現象はほとんどおきていませんが、年々数が減っていくのですからその理由も納得がいきます。 評価の高い有名なワインなど(特に良い年のワイン)は投資対象としても非常に人気があるのです。

結論

高価なヴィンテージワインが存在する一方、リーズナブルなテーブルワインにはラベルにヴィンテージの記載すら無いものも少なくありません。 もともと一部の貴族階級の人々が社交界などで愛飲する高価な嗜好品としてのお酒だった高級ワイン。そんなワインとともすれば名前すら無いようなテーブルワインとでは当然出来上がるまでにかかるコストも違い、また世の中で認識されている価値も違います。 しかし、それ以前にそもそも造る前の段階からそのコンセプトすら違うと言っても過言ではありません。

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