2011年を最後にプリムール販売を行わないことを表明したシャトー・ラトゥール。このニュースは多くのワイン愛好家に驚きをもたらしました。
次ヴィンテージ、価格高騰は避けられない
「2012年からの価格はどうなるのか?」というのがもっぱら話題となっています。
というのも、プリムール販売されたワインはその後リリースされる時よりも手ごろな価格で入手できる点にメリットがあるのですが、今後ラトゥールのプリムールがなくなるとすれば、一体どれくらいの価格がついてしまうのか??誰もが想像することすら難しいからです。
シャトー・ラトゥールとしては、プリムールにとらわれることなく最高のワインを仕上げた上で、飲み頃を迎えるまでシャトー内で大切に保管し、ベストなタイミングでリリースしたい、という想いがあってこのような決断にいたったようなのですが、一方で2012年以降の価格高騰は避けられない、というのが大方の見方。
さて、どうなるのでしょうか?
最後のプリムール販売となる2011年!
今回リリースされた2011ヴィンテージは100点満点を獲得した前年の2010年ヴィンテージと比較して、およそ半額とかなりお買得となっています!
プリムール撤退を決断したラトゥール
ボルドーの格付けワインを中心におこなわれている独特のワイン販売習慣であるプリムール販売。毎年4月〜5月に出来立てのワインを評論家やワイン商が一同に会してまだ熟成途中のワインを樽から直接試飲し、そのヴィンテージの出来をチェックし約2年後の瓶詰め、商品化を待たずに取引することで、購入者は割安にワインを購入することができるという先物取引です。
その結果、シャトーは早いタイミングで現金を手にすることができるという双方にメリットがあるシステムではあるのですが、製品化を待たずに購入するため、購入者にとっては2年後に手にするワインにどれほどの価値があるのか、読みきれないというリスクが伴う取引方法でもあります。
これまでにも賛否両論がありましたが、シャトー・ラトゥールは2012年ヴィンテージからプリムールへの参加取りやめを表明しました。
理由は「ベストなブレンドをした最高のラトゥールを完成させ」、「飲み頃を迎えてから市場に届けたい」という想い。
プリムールで行われているような熟成初期段階で、ワインの真の評価を判断するのは難しく必ずしも2年後にベストな状態であることを保証するのは難しいため、シャトー内でじっくり熟成させたのち、責任を持ってベストな味わいのラトゥールを提供したいという考え方から、今回の決断に至ったそうです。
丁寧な収穫作業と選果、努力したものだけが勝ち取ることができた2011年のクオリティ
乾燥気味で気温の低かった冬、降水量が極めて少なく温暖な天候が続いた春、そして6月以降も例年とは降雨量、日照条件に大きな違いが見られたシャトー・ラトゥールの畑では、立ち枯れするブドウの樹があったり、ボトリティス菌が発生した粒もあり、収穫の際には丁寧な選果を行いました。
その結果、収穫量は例年と比較し少なくなりましたが、瑞々しく凝縮性を備えたワインが完成し、味わいもきめ細かく官能的!クラシックな仕上がりのヴィンテージとなったそうです。
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